この夏の大イベントはミラを日本の学校に体験入学させること。昨今、日本では多くの小学校が一時帰国中の児童を受け入れるようになった。パリと東京では夏休みの長さが違うため、パリの学校を休ませることなく東京の学校に2週間通える。しかし「体験入学」という公のシステムが存在するわけではなく、各学校長の善意を当てにしている面もある。ミラは私の姉の子供が卒業した公立学校に通う予定。住民票の提出などはないが、保険は入るよう念を押された。
出発が近づくなか、姉から「小学校にはイジメがあるかも。特に人の心がわからない低学年は容赦ない」との恐ろしいメールが。姉の2人の子の場合、息子は天然パーマから「モジャ」、娘は目鼻立ちから「ガイジン」と呼ばれ入学直後に泣いたとか。ジルの天然大仏パーマを受け継ぐミラは、まさに真性「モジャ・ガイジン」。格好のイジメターゲットになりそう。そこでミラには「からかわれたら笑いで返せ」とアドバイス。例えば「モジャ」と呼ばれたら「これが最先端」、「ガイジン」と呼ばれたら「ガイジンどぇっす」とピースするよう伝授。一発ギャグも復習に励む。だがそんなことを必死にレクチャーしていると、ミラが急にうつむき「(日本の小学校が)こわい…」とつぶやいた。ちょっとマイナスイメージを与え過ぎたのか。なんとか日本の学校を楽しんでくれれば良いが。(瑞)