「コンドームを配ったからといって、エイズは解決しない。逆にエイズの問題を悪化させるだけだ」
3月17日、カトリック教皇、ベネディクト16世は、1週間にわたるアフリカ訪問に向かう飛行機内で、エイズの予防には性交渉の際にコンドームを使うことが一番重要であるという、医学界の常識に反する発言。エイズ感染者が2400万人、エイズによる死亡者がすでに220万人を数えるアフリカの現状を無視したかのようなこの教皇の発言に、世界各地で激しい非難の声。
「恐ろしく、むごく、不公平な発言だ。教皇は、アフリカに手を差し伸べ、貧困について語りたいと言っているけれど、アフリカの貧困の第一の原因であるエイズに対する私たちの闘いを、抹殺するようなものだ」
カメルーンでエイズに感染している女性を援助しているSWAAのマーガレット・ソンガ会長。
「コンドームがエイズを悪化させると言うのは、宗教が人命より大切であると言うことに等しい」
南アでエイズの治療に当たっているレベッカ・ホウズ医療研究所所長。
57%
CSAが教皇の問題発言後に行った世論調査によると、フランス人の57%が現教皇を好ましく思っていない。カトリック信者の間でも55%が同意見。