向こう6、7年で5万4000のポストを削減するというフランス軍の大再編を推進しているサルコジ大統領だが、一方で兵器輸出の伸張にも積極的に取り組んでいる。モラン国防相は昨年末、大統領が外訪のたびに兵器輸出契約を取り付けており、さらに輸出の手続きも大幅に簡略化されたと発言した。兵器輸出許可の取得などの行政手続きは90%電子化され、それに必要な日数も以前の80日から41日に大幅短縮されたという。国防省軍需代表部(DGA)の2007年度活動報告書によると、兵器輸出は2006年で前年度比34%増の57億ユーロ、2007年も55億ユーロと好調。買い手はアフリカ、東南アジア諸国、中国など。特にアラブ首長国連邦、サウジアラビアが一番の顧客だ。世界の兵器市場占有率では米(55%)、英(13%)、ロシア(9.5%)に次いで第4位の5.9%。ストックホルム国際平和研究所によると、2007年の全世界の兵器購入額は8510億ユーロに上り、過去10年間で45%も増加。世界各地で紛争をあおり、武器を売って得をするのは軍需産業とそこから甘い汁を吸う政治家である。死の商人はますます健在だ。(し)