トリノ冬季五輪でフランスチームに最初の金メダルはもたらしたのは、男子滑降のアントワーヌ・デネリアズ選手(29)。男子滑降では、1998年長野冬季五輪でのジャン=リュック・クレティエ選手に次ぐ快挙だ。「メダルをもらった時、泣いたかどうかは覚えていないが、これまでの人生の夢が実現したという思いでいっぱいだった」 1976年にフランスのスキーのメッカともいえるオート・サヴォワ県で生まれ、小さい時から父親のコーチでスキーに親しむ。1996年から男子滑降W杯に参加し、2004年には同種目でW杯総合成績7位になった。ところが2005年1月、シャモニーの難コースで練習中に転倒し、左ひざに重傷を負う。「バカンスだ、と考えることにする」と強がってはいたが、リハビリにも思ったより時間がかかり、今年1月14日のウェンゲンでのW杯でも35位とふるわず、メダルは遠いと思われていたが、この金メダル! 「まだスタート3分前のような気分で実感がわかない。とにかく今晩はシャンペンを飲んで喜びを分かち合いたい」(真) |