テニスのローランギャロス杯、世界陸上選手権、あるいは国際フィギュアスケート大会の実況で、各国選手相手に、英語、時にはスペイン語、時にはイタリア語でインタビューしているのが、フランス・テレビジョンのネルソン・モンフォール。かなり強い米国訛りの英語で当たり障りのない質問を発し、答えも待ちきれないかのごとく自分でさっさとフランス語に訳してしまう。そして、どこか腹話術の人形を思わせる真っ白な歯を見せての笑顔。カナル・プリュスの風刺番組『レ・ギニョル』でもこのへんがさんざん茶化されているけれど、社交好きならではのこの当たりの柔らかさに、ファンが多い。 1954年にブローニュ・ビヤンクール市で生まれる。米軍の元大佐の父とオランダ人の母の間に生まれた一人っ子。エリート校の政経学院(Sciences Po)を卒業している。テレビ初インタビューはテニスのマルティナ・ナブラチロワ選手。「カメラの前に立つ時、数百万人の視聴者ではなく、友人たちや愛する家族を前にしていると考えることにしている」(真) |