スティーヴン・スピルバーグ監督の『ターミナル』が封切られたが、この作品の主人公(トム・ハンクス)のモデルとなったのが、イラン出身の男性マーハン・カリミ・ナゼリさん。 1976年にイランから国外追放されたナセリさんは、 1988 年、パスポートと国連発行の難民証明書を盗まれ、英国入国を拒否される。仕方なくパリのシャルル・ドゴール空港に降り立ってから16年、同空港の〈ターミナル1〉に居着き、まわりの商店の人たちにも受け入れられていた。 「この店の電話は鳴りっぱなし。毎日インタビューされている」とマネージャー役になってしまった薬局のご主人。「私の経験が映画になったのは光栄だが、ここでの生活は楽じゃない」とナゼリさん。ターミナルのトイレで体を拭いたり洗濯をしているという。毎日のように日記をつけ、英国や米国の新聞を読む。1999年にフランス当局が、滞在許可証を出したが署名を拒否。 「この映画のおかげで米国に行けるといいなあ。カリフォルニアでハッピーエンドというのが私の夢だ」(真) |