フランス人に「いちばん親しみを感じる女優は?」とたずねたら、大部分が「ソフィー・マルソー」と答えるに違いない。すごい美人でも、心に残る演技派でもないが、それだけにかえって、マルソーさん(35)に、家族の一員や友人のような親しみを感じるのだろう。父はトラックの運転手、母は商店勤めという環境で育ち、デビュー作は『ラ・ブーム』(1980年公開)。「ほんの13歳でしたが、何でもやる気でいました。仕事をして人生に踏み出したかったのです。別に夢はなかったので、この作品がなかったら何をやっていたかはわかりません…美容師かな」 マルソーさんが初めてメガホンをとった『Parlez-moi d’amour』が封切られた。年が大きく離れたカップルの行き詰まりがテーマで、17年間一緒に生活してきたアンジェイ・ズラウスキー監督(62)との別れが強く反映しているようだ。こんなところにも、映画という虚構の世界と人生の間に境をつけることができない生真面目さが現れる。7月に二人目の子どもを出産、育児にも忙しい日々だ。(真) |
“Je n’avais que 13 ans et pourtant, j’étais prête à faire un peu n’importe quoi. Je voulais travailler, me lancer dans la vie. |