復活祭の休みに入ってお子様向け映画がどどっと登場。
日本のアニメ『ホーホケキョ となりの山田くん/Mes voisins les YAMADA』(高畑勲) は、俳句を基調に”日本の家族” の情感を描いているのでむしろ日本が懐かしい大人向き。ホラー映画『リング / Ring』(中田秀夫) は日本中を震撼させたヒット作。怖~いもの好きの小学校高学年以上と、今をときめく松嶋奈々子をチェックしたい男性におすすめ。5月23日公開の『回路』(黒沢清) もそうだけど、日本人は本当にあの世に行けない霊やこの世に還って来る霊の話が、恐いくせに大好きだ。ルーヴルに収められたミイラの霊に取り憑かれるフランスのお化け『BELPHEGOR』(ジャン=ポール・サロメ)は、ソフィー・マルソーとSFXに気をとられてしまうので恐くないのだ。
フランス化されてしまった諸君には、やっぱり、リュック・ベッソン・プレゼンツ『Yamakasi』かな。山火事 !? というわけではないのだが、日本風な響きがイケてるってことだろう。”七人の侍・郊外の団地編” って感じだ。忍者のように、走り、跳び、這い登る術を鍛錬している若者グループが、幼い命を救うために義侠心を発揮するという単純明快なお話。一応、アリエル・ゼイトゥン監督作品なのだが、彼はプロデューサーのベッソンが最初の監督を首にした後の二代目監督。『Taxi』なんかもそうだけど、ベッソン製作の映画は、監督の存在が希薄で、フランスで主流を占める作家の映画=Film d’auteur とは明らかに別種のプロデューサーの映画だ。
相変わらずのタイムスリップ・ギャグだが、笑いたかったら『おかしなおかしな訪問者・アメリカへ行く/ Les visiteurs en Amerique』(ジャン=マリー・ゴーベール)。深く考えずに童心に戻って素直に観るように! (吉)