小さなステュディオはパリの足だまり。 メトロHotel de Ville駅 (4区)。16m2。

 きょうは、コニャックに住むラロッシュ夫妻のパリのステュディオを拝見。夫妻がパリのpied-a terre(足だまり)として使っている場所だ。パリ17区に住んでいる息子のフランク君に案内してもらう。彼は、自分の友人がパリに来ると両親には内緒で、このステュディオに泊まらせる。しかしラロッシュ夫妻は恐ろしく清潔好きなので、使用後の掃除、洗濯など始末が面倒だそうだ。夫妻はついでにタバコも嫌いなので、息子としてはバレないように喫煙者はお断りしている。息子自身、タバコは酸素くらい大切だと思っていることもあり、あまりステュディオには近寄らない。

 それは、ワンサカと人がいるマレの中心にありながら静かな道にある。小劇場前に人が群れることはあるが、普段は落ち着いた古都の細道の趣。「この道はヘルムート・ニュートンが60年代に写真を撮ったところ」とフランク君。サン=ローランの黒いスーツを着て、ショートの髪を撫でつけたマニッシュなモデルが、タバコ片手にうつむき加減に写っているあの細い夜の道。なるほど、まさにあの渋い雰囲気だ。しかし静かで渋いだけに、犬の散歩道としても人気があり、ウンコが多いのが災難だ。全長50メートル程の短い道。試しに見ていると、雨に半分溶かされたモノ×2。別犬と思われるモノ×1と、そいつがまた数メートル進み、やったと思われるモノ×2。清潔好きのラロッシュ夫妻は、憤りを感じないのであろうか! 数えて楽しんだりしているのだろうか? ステュディオは16世紀の建造物のなかにある。昔は修道院だったそうで建物の内部には迷路のように廊下が這い、小さな部屋(ステュディオ)が幾つもある。通りに面した大きな木の扉は、歴史的記念物に指定されている。

 このステュディオは一年前までは人に貸していた。その住人が出て行ったちょうどその頃、ラロッシュ夫妻のパリ近郊移住プロジェクトが浮上し、物件リサーチのためにステュディオを拠点とすることになった。お父さんは兄妹、息子のいるパリ近郊に、ドイツのドレスデン出身のお母さんとしても、少しでも家族に会いに行きやすい場所に引っ越したいと考えているそうだ。週末など車でパリに来ては、郊外の物件を見て回る。先月はポルト・マイヨーで開催された「Salon de l’immobilier/不動産フェア」にも行ってみた。今まで何件も自分で家を設計し、形にしてきたお父さんは、土地を買って自分の好きな家を作りたいと思っているが、その土地を見つけるのはパリ近郊ではなかなか難しい。今、住んでいるコニャックの家は売りに出しているので(売るのは、時間がかかることが多いので早めに売りに出したそう)もう後には引き返せない。ラロッシュ夫妻は、次は復活祭の週末を利用して、フランク君に会いにパリに来るそうだ。(美)


あまり陽が入らないので、床やベッドカバーは赤にした。

雨上がりの静かな道。


歴史的記念物の扉。


アペリティフはどこへ?
●Coude Fous
 フランク君は “Coude Fous” を推薦してくれた。私もそのワイン・バーならお気に入りなので、アペリティフに行こう!と即決。フランク君はトゥーレーヌの赤 (14F) をグラスで、私はほろ苦さとほどよい甘さのコルシカ産オレンジ風味ワイン (25F)。ワインリストは産地の地図入りで、地方ごとに使われるブドウ種も記入されているので選ぶのも楽しい。
 山羊のチーズ(Crottin de chevre chaud)は、クリームのなかに浮かべて焼かれ、サラダが別にくる。タイと鮭のタルタルと(Tartare de saumon et de dorade)白ワインの組み合わせもいいよね、と意見が一致。新しくなったメニューを見たら〈マグロのパピヨット焼き・ウイキョウと黒オリーブ添え〉。「これはまた来なきゃ!」と意気投合した。(美)

昼のメニューは100Fと120 Fでグラスのワインが2杯つく。夜のメニューは145F(金・土・日は除く)無休!
*12 rue Bourg-Tibourg 4e 01.4277.1516