きれいに晴れ上がった日曜の午後、ペールラシェーズ墓地を散歩していたら、モーター音や枝がぶつかりあう音が聞こえてきた。近寄って見上げると、二人の男が春に備えて伐採の最中だった。ペールラシェーズ墓地は、年月を経たプラタナスやマロニエの巨木が多い。めまいがしそうな、20メートルはありそうな高さで電気ノコギリがうなっている。二人とも、安全のためにロッククライミングのようにロープを巻き、枝から枝へ移るときの早さは、さすがプロだ。葉が散ってしまっているから、枝振りがよく見え、所々に鳥の巣が見えたりする。
散歩する人たちは、そんな作業を一様にのんびりと眺めながら、近づく春の息吹を感じているようだった。 |