OVNI 419 : 1998/7/1 N° 419 1998-07-01 ■ それなら、兵器は買いません 5月29日にフランス国民議会が1915年のトルコでのアルメニア人大虐殺がジェノサイドであることを公式に認めたことに対して、トルコ政府は強く抗議。戦車、ヘリコプターなどフランス製兵器の買い付け交渉 (6000万フラン以上)を凍結するとフランス外務省に通達した。 ■ ルワンダの悲劇の責任は? フランスの国会調査委員会は、94年のルワンダでのフツ族強硬派によるツチ族大量虐殺事件を調査中だが、6月10日に召喚されたジェームス・ガサナ元ルワンダ軍事大臣 (92~93年) は、フツ族からなる政府軍の武器使用がフランス政府の支配下にあり、また落下傘部隊の訓練もフランスの軍事顧問が指揮していた、と証言。 ■ 狂牛騒ぎ落着か 6月10日、欧州委員会は、2年間続いていた英国産牛肉禁輸措置に終止符を打つことを満場一致で採択した。輸出解禁の対象になるのは、骨粉などを混入した飼料が全面禁止になった96年8月1日以降に生まれた牛に限られる。今までに225万頭の牛を処分してきた英国の畜産業者は、今秋の輸出再開を期待している。 ■ エリック・タバルリ、海に戻る 1964年の大西洋単独横断レースや69年の太平洋横断レースなどで勝利をおさめ、フランス・ヨット界の先駆者となったエリック・タバルリ(67) が、6月12日から13日の深夜にかけて、強風のウェールズ沖で彼が愛していたヨット “ペン・デウィック号” から落ちて行方不明になり、数日後に捜索が打ち切られた。自然体の航海を愛した彼は救命具をつけていず、ラジオ無線も装備していなかった。 ■ アルコールはヘロイン並みの麻薬 6月16日、厚生省は薬学専門家に依頼していた麻薬についてのリポートを発表。それによると、アルコールはヘロイン、コカイン並みの毒性があり、中毒になる可能性が強い。それに続いて危険な麻薬として挙げられているのが幻覚剤とタバコ。以上の麻薬に比べると、大麻ははるかに危険度が少ない。また毒性がゼロに近いといわれていたエクスタシーは、幻覚剤以上の妄想錯乱状態を引き起こすこともある、などが主な内容だ。 ■ ヤンヌ・ピア殺害事件判決 ヤンヌ・ピア国民議会議員殺人を審理していたヴァール重罪院は、6月16日、実行犯のリュシアン・フェリ被告 (26)、首謀者のジェラール・フィナル被告 (53) に無期懲役の判決を下し、政界の黒幕説を否定した。しかし、フェリ被告自身が裁判中に殺害したことを認めつつ政界の重要人物が絡んでいると発言しているなど、まだまだ解明していない点が残った。 ■ フーリガン大暴れ 6月15日、W杯のチュニジアとの対戦を見にマルセイユにやってきた200人あまりの英国のフーリガンたちが、チュニジアの応援に来ていた人たちに襲いかかったり、商店のウインドーを壊したり大暴れ。警察を含め63人の負傷者を出し、57人が逮捕された。21日にはランスでドイツのフーリガンが警察当局と市街戦を演じ、機動隊の一人が頭を殴打され、現在も意識不明で生死が危ぶまれている。 ■ イブラヒム・アリ殺害事件判決 1995年1月21日、極右の国民戦線党 FN の選挙ポスターを貼っていた3人が、通りがかりの若者たちに発砲してコモリ諸島出身のフランス人、イブラヒム・アリ (当時17歳) を殺害した事件を審理していたブッシュ・デュ・ローヌ重罪院は、6月22日、この殺人が人種差別的な犯罪であることを認め、ロベール・ラジエ被告(66) に懲役15年、マリオ・ダンブロジオ被告 (44) に10年、ピーエル・ジグリオ被告 (38) に懲役2年の判決を下した。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。