● caviar d’olive
Nyons は、南仏のオリーブの名産地 として知られているが、そこの極上の黒オリーブが手に入ったら作りたい。オリーブは種を抜いてからキャヴィアの大きさになるまで叩く。これを、フォークでつぶして柔らかくした同量のバターと混ぜ合わせるだけ。ゲランド産などの粗塩も少々加えます。軽くトーストした田舎パンに塗れば、素晴しいオツマミ。
「パリのレストランはお昼がいい。かなり高めの店でも昼には安い定食を出すところが多いし、お腹が空いていないときはメイン一皿だけでもヘンな顔をされない。ひとりでも気楽に入れる」と語る著者推薦の61軒のお店が並ぶ。フランス料理だけでなく、ポルトガル、トルコ、セネガル、ラオス、チベット、ペルー料理と著者の舌には国境がない。読んでいるだけで心が浮き浮きしてくるのは、レストランのシェフや給仕する人、そして和気あいあいと食べているお客さんたちを見つめる優しい視線が伝わってくるからでしょう。出かけてみたいパリのレストランの数が一挙に増えました。今度は、あの店だ!
■Fribourg
「スイスの町フリブール近くで作られているグリュイエールチーズ。山地で6カ月ほど熟成される。直径60センチ、厚さ11センチ、30~40キロの大きなチーズだ」
気泡のない、象牙色の締まった身はコンテを思わせる。薄く切ってゆっくり噛みしめていると、放牧牛の乳ならではのうまさが広がっていく。ザラザラッとした舌ざわりがあるのは、熟成が進んでいる証拠です。適度の塩味もあり、小さく切ってサラダに入れたり、おろしてグラタンに使ったりするのにも向いている。「ワインは、コット・デュ・ジュラのような香り高い白がいい。赤だったら、ボージョレーのような柔らかい風味のものを選びたい」
これは便利
● dénoyauteur
すでに種 (noyau) 抜きのオリーブも売られているが、味は落ちる。そこで小さなナイフを使って自分で種抜きdénoyauter。この種抜き器があると、面白いようにピッチが上がる。30フラン前後。なお、noyau というのは、オリーブ、モモ、プラム、アヴォカドのように、実の中央にひとつしかない種のことをいい、リンゴ、ナシ、オレンジ、ブドウのように果実中に多数含まれている種は pépin という。
対決!タプナード
● A L’OLIVIER vs HEDIARD
前回の対決のときオリーブ油を買ったア・ ロリヴィエで、「タプナード」 の瓶詰を見つけました。オリーブの実とアンチョビーをつぶして作る南仏名物の黒いペーストで、パンに塗るとアペリチフのつまみにぴったり。むかしコルシカで食べた手作りのタプナードはおいしかった! ア・ロリヴィエのものは90g入りが19Fと値段も手ごろ。有名店エディアールの瓶詰(100g/23F)と食べ比べてみました。 ア・ロリヴィエの方はアンチョビーの味が強く、少し油っぽい。エディアールはオリーブのつぶし方が粗めで、そのせいかオリーブの実の香りがより強く感じられる。好みによるけれど、私はエディアールの方が好き。でも手作りに比べると、瓶入りはどちらも塩加減が強く、香りがいまいち不足。味のいいオリーブを買ってきて自分で作ってみましょう。作り方は、この号の「パリを丸ごとかじったら」を参照してください。