PSAプジョー=シトロエンは6月19日、初のモロッコ工場建設計画を発表した。2019年に操業開始予定の北部ケニトラの工場は、北アフリカ、トルコ、中東向けの中小型車を年9万台 (23年には20万台)生産する。投資額は5億5700万ユーロ。近年赤字に苦しんできたPSAだが、ロシア・南米市場が減速するなか、欧州、中国に次ぐ第3の市場としてアフリカ・中東に10年後百万台販売を目標に長期戦略に乗り出す。複数の車種で部品を共有する新プラットフォームをケニトラに設置するほか、低人件費と低自動化率でコストを抑え、12年にすでに工場建設したルノーの下請け企業の部品を現地で調達して安価な車を生産する目論みだ。雇用創出が期待されるモロッコには朗報である上に、ルノーの時のような仏国内自動車産業の空洞化との批判も今回は影をひそめている。(し)