フランスの通信業界第2位のSFRの売却をめぐって、ニュメリカーブルとブイググループがしのぎを削っている。SFRの親会社ヴィヴァンディは3月14日、ケーブルテレビ(CATV)ニュメリカーブル社の親会社アルティスと、SFR売却に関して独占的協議に入ると明らかにした。アルティスのオファーは117億5千万ユーロと、ブイグの113億ユーロを上回る。ところが、子会社ブイグ・テレコムの業績不振に苦慮するブイググループは何としてもSFRを獲得したい。20日、オファーを131億5千万ユーロに引き上げ、ケース・デ・デポ(国営金融機関)、ピノー家、JCドコー社などの参加を含む新たな買収案を出した。
ニュメリカーブルはTVA未払いなどで3600万ユーロの追徴課税が課されているほか、欧州数カ国のCATVを傘下に収めるアルティス(本社ルクセンブルク)の創業社長パトリック・ダラヒ氏が税制上スイスに在住していることで経済省からにらまれており、仏政府はブイグを支援。独占的協議の期限は4月4日だが、ヴィヴァンディが結論を出さずに、その後ブイグのオファーを検討するかどうか注目される。(し)