フランス電力会社(EDF)と英国政府は10月21日、英南西部ヒンクリー・ポイント原子力発電所に欧州加圧水型炉(EPR)2基を擁する新施設を建設することで正式に合意した。総費用は160億ポンド(189億ユーロ)で、45〜50%をEDF、10%をアレヴァ、30〜40%を中国広核集団と国有の中国核工業集団が投資する。同原子力発電所は2008年にブリティッシュ・エネルギー社からEDFが買収したもので、現在は原子炉2基が稼動。ここに新EPRが2基建設されれば、英国では1995年のサイズウェル原発以来の新原子炉建設となる。
英国における総電力生産に占める原発の割合は20%にすぎないが、北海の原油・天然ガス生産が減少しており、国は原発を推進している。一方、世界屈指の原発企業EDFは英国をはじめとする欧州各国への進出を拡大しているものの、莫大な債務を抱え、単独での大型プロジェクトは無理。そこで、30年来提携している中国企業と組むことになった。今回の計画に参加するアレヴァは2007年以来の新規原子炉納入ということで、フランス原子力産業にとっては明るいニュースだが、地元では反対運動もあるという。(し)