在仏カタール大使は11月6日、カタールがフランスの大企業向けに100億ユーロの投資を検討していると明らかにした。外国での合弁事業などの投資計画を仏企業とともに進めていきたい意向だ。さらに、フランスの中小企業に融資するための共同投資基金の設立に関する協定を仏政府とカタールの間で年末までに調印するという。この基金にはカタール首長家が実権を握る政府系投資ファンドとケース・デ・デポ(国家金融公庫)が1億5千万ユーロずつ出し合って計3億ユーロ規模。中小企業向けの基金は、元はといえば昨年、問題のある郊外への5千万ユーロの投資をカタールが提案したものだが、同国がアフリカのイスラム急進派を援助していることから、その目的や方法が仏国内で疑問視され、結局、仏政府が半分参入して中小企業への投資という形になったものだ。カタールのフランスへの投資はサッカーPSGや高級ホテルの買収、さらにはラガルデール(12.8%)やヴェオリア(5%)など大企業にも及んでおり、両国の結びつきはますます緊密になっていくようだ。(し)