コニャックの老舗レミーマルタン社主催のエクスポジション『未来への遺産』は、パリの国立アートスクールEnsaama Olivier de SerresとロンドンのアートスクールCentral Saint Martinsから選ばれた学生8人が、「魅惑」をテーマに「神のリキュール」といわれるコニャックへの称賛を若い世代の感性で表現している。
両校から1人ずつのbinôme(2人組)でコニャックの作り方、メゾンの歴史を学び、遠距離で制作を進めたが、その過程で感性の違いやコミュニケーション不足が表れ、binômeで企画が進められたのは2組で、残り4人は単独での創作となった。
写真のWeicheはロンドンから、Ségolèneはパリから。「お互いの文化の違いが逆にこの企画へのディスクールとなってコニャックの慣習を変えることができた」という作品は、上品で稀なコニャックがシャープなカラフに入り、そのカラフが更にクラシックなカラフで守られている。パルファンの瓶を思わせる異なった熟成年数のコニャックが入った瓶のセットはコニャック愛飲家が香りと味覚を楽しむため。コニャック樽に使われるリムーザン地方のオーク材のオブジェ、アクセサリー、氷のなかに凝縮されたコニャック・アイスボンボンなど、伝統的なコニャックが、若いクリエーターたちの新鮮なアプローチで、「魅惑」への旅を楽しませている。(苗)
“Futur Heritage” 展:6月30日迄。
La maison Rémy Martin :
20 rue de la Société Vinicole, Cognac