11月17日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日だった。パリでは以前ほどの活気はなくなったが、ワイン好きはカフェのカウンターに並んで、「赤い果実の風味がたまらない」、「その風味がくどい」、「今年はいつものよりこくがある」などと、ああやこうや言いながら味わう。このボージョレの赤ワインは、ガメー種のブドウから作られている。ボージョレ地方の花こう岩質の土がこのブドウに適していて、フルーティで上品なワインが生まれる。ボージョレというと、ヌーヴォーになってしまうけれど、モルガン、シェナス、ブルイ、サンタムールといったボージョレの名酒たちもぜひ味わいたい。ヌーヴォーにはない、落ち着きとこくがある。他にもリヨネ、サンプルサン、オーヴェルニュなどの地方でもガメー種のブドウが主流。とりわけロワール川沿岸のGamay de Toulaineも品がよい。
ガメー種の赤ワインは、ウサギやチキン、子牛や子羊などの肉料理によく合うのはもちろんだが、ソースがこってりとしている魚料理と組み合わせても、おいしく味わえる。