国際通貨基金(IMF)は9月20日、フランスの2011年の経済成長率を6月時点の2.1%から1.7%に、2012年の成長率も1.9%から1.4%に下方修正した。この数字は、仏政府の予想である1.75%(2011年、2012年とも)を下回る。IMFはこの下方修正の理由を、財政赤字が大きいこと、工業生産予想の低下、金融市場の緊張としている。
フランス銀行も9月初めに今年第3四半期の成長率を0.2%から0.1%に下方修正したばかり。それを裏付けるかのように、国立統計経済研究所(INSEE)が今月発表した景況感指数も悪化した。この指数は毎月、景気についての企業経営者の回答をもとに長期間の平均値を100として算出している数字だが、7月の指数に比べて工業と卸売業で6ポイント、小売業で10ポイント、サービス業でも8ポイント下がり、産業全体で8ポイント低下、2010年夏レベルの97になった。消費者信頼感指数も5ポイント下がって80となり、2009年初頭のレベルだ。金融危機のどん底から順調に回復してきたフランス経済が、夏を境目に再び下降傾向を見せている。(し)