在仏日本人女性にとって、ちょっと困るフランス語の代表格が「チンチン(tchin-tchin=乾杯)」ではなかろうか。ここはワイン大国・飲んべえ天国だから、普通にフランス人と交流していれば、嫌でも日々使わざるを得ない。これが照れずに堂々と口にできるようになれば、フランス社会にかなり馴染んだ証拠かもしれない。とはいえ未だに一抹の抵抗感がぬぐえ切れない自分は意外にウブなのか。いや皆そんなものか。
一方、便利で羨ましいフランス語に「ゼゼット(z?zette=女性器の幼児語)」というのがある。響きが可愛らしく、使っても後ろめたさはない。しかし私は、できればミラと話す時は日本語だけでフランス語は使いたくない。だからミラが小さい頃、何でも日本語で言おうと思ってゼゼットに相当する日本語を探したのだが見つからなかった。しょうがないのでミラに「ゼゼットをちゃんと洗って」と言いたい時に、適当な言葉でごまかし続けていたら、ある日ミラが自分の性器を指して「お尻」と言ったので、さすがに「これはまずい」と焦った。だから現在は「おまた」という言葉で代用中だ。しかしもっと可愛らしい言葉はないものか。あの放送禁止用語は使いたくないし、ゼゼットを使うのも、日本語オンリーにしてる自分には敗北感を感じる。一体、世の日本人ママはどうしているのかな。こっそり教えてほしいものだ。(瑞)