ギリシャの経済危機を救済するための欧州連合(EU)および国際通貨基金(IMF)とギリシャ政府の調整が大詰めに入っている。6月23、24日のEU、IMF、ギリシャ間の協議でギリシャへの財政援助1100億ユーロと引き替えに同国が実施すべき緊縮財政5カ年計画が固まりつつあり、同国は6月中にも国会での承認を得たい考えだ。
国家予算の緊縮(向こう3年間で300億ユーロ)、公共機関の民営化、増税と、庶民の生活を直撃する緊縮財政案に国内の反発は強い。まず増税では、消費税率の19%から21%への引上げ、アルコール・タバコ・ガソリン・電気などへの税率引上げ(たとえばタバコは+63%)に加え、所得税が課税される年収上限を12,000ユーロから8,000ユーロに引き下げるなどの政策が盛り込まれている。さらに、歳出を抑制するために、公務員の給与、ボーナス、年金の引下げによって計24億ユーロ節約するほか、定年退職年齢を60歳から65歳に引き上げる。不況と失業率の高さにあえぐギリシャ国民はこうした政策に反発姿勢を強めており、予断を許さない状況だ。(し)