クリスマスから年末にかけてのテーブルによく登場するヴァシュランだが、冬中うまい。フランシュ・コンテ地方のチーズ。山地で飼われている放牧牛の、香り
高く濃い牛乳から作られていて、その柔らかくこってりとした風味にファンが多い。モミの木の一種、エピセアの樹皮の輪っかがはめられ、やはりエピセアでで
きた棚の上で3週間以上かけて熟成される。軽く塩水で洗われた皮はバラ色がかった黄褐色で、ビロードのような光沢を持ち、しわが寄っている。そして、かす
かにエピセアの樹脂とカビの匂いを漂わせている。
皮をナイフで薄くきれいにはがすと、白い身があらわれる。これを小サジですくって口に入れる
と、やはりかすかに樹脂の香りを持った身がとろけるようだ。ワインは、フルーティで辛口の白がいい。このチーズは大きさがさまざまだし、食べきってしまう
方がいいので、食べる数日前にチーズ屋さんに「6人分です」などと頼んでおくのがいい。
輪っかをアルミホイルで覆って、チーズの上へソーヴィニョン種やシャルドネ種の白をコップ半杯ほど注ぎ、20分ほどオーブンで焼く。これをゆでたり蒸したりしたジャガイモにかけながら食べるとうまい!(真)