ロワール川沿いにはナチュラルワイン造りの名人が多い。〈Domaine des
Griottes〉のパトリック・デプラもその一人。ボクらが通うジャズクラブにも顔を出し、振る舞ってくれるワインがこの〈プチット・ガトリ〉。彼の他
の赤ワインはブドウ一種類から作られているが、これはブドウ数種のブレンド。「元々は写真家だっただけに、芸術家肌で情熱家。このワインもそんな彼の豊か
な人間味を反映しているんだ」とケヴィン君は言う。グロロー種のスグリを思わせる果実風味にカベルネ種のコクがバランスよく、口中に広がる心地よい渋み、
そして胃に優しいほかほか感がたまらない。カモの胸肉や豚肉料理などに合いそうだ。シュナン種のブドウから造られる彼のみごとな白ワイン〈Bonnet
d’âne〉もいつか紹介したいなあ。(真)