
中国のSheinやTemuといったファストファッションへのペナルティ制度が9月1日に始まった。これは、ペナルティや広告禁止などを盛り込んだ「反ファストファッション法案」が6月29日の上院可決をもって最終的に成立したことを受けてのもの。
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同法では、安価で大量に市場に送り出され、寿命が短く修理の可能性がほぼない商品を「ウルトラ・ファストファッション」と定義しており、とりわけShien、Temu、AliExpressといった中国の大規模プラットフォームの商品が対象。
各商品は市場に放出された量や、商品価格に対する修繕費の割合などにより点数をつけられ、その点数が基準以下の場合は、今年については男性下着なら0.5€、Tシャツは2€、ジーンズは9€、上着は12€といったように上記の各企業から徴収される。この徴収金は次第に引き上げられ、2030年には商品の税抜き価格の50%を上限として最高19.5€となる。徴収金は不要になったテキスタイルを収集・リサイクルする非営利組織「Refashion」に回収されて社会的連帯経済への支援に充てられたり、倫理的なブランドに還元されるという。
政府は、プライマーク、Zara、H&M、ユニクロといったファストファッションはフランスに実店舗を持ち、雇用を創出し、税金を払っているため、ペナルティの対象にはならないとしている。これに対し、婦人既製服連盟などの業界のロビー運動を受けて反ファストファッション法が骨抜きになったと批判する「ストップ・ファストファッション協会連合会」は、もともと同法はテキスタイル産業の環境負荷の減少を目指すものであるから、対象をファストファッション全体に拡大すべきと批判。それに対してフランス政府は、仏Kiabiは年間1万7400品目、西Zaraは2品目を市場に送り込むのに対し、Sheinは170万品目に上り、市場規模が欧州ブランドに比べて桁違いに大きく、その分、環境汚染も大きい上、労働環境面からも欧州製品に不当競争をしかけていると説明する。ちなみに、2025年には中国製品が93%を占める59億個の小包(2022年の4倍)がEU市場に入っている。また、反ファストファッション法ではウルトラ・ファストファッションの環境負荷について消費者を啓蒙する告知の義務と広告禁止の条項も盛り込まれているが、広告禁止についてはデジタル広告関連のEU指令に反するとしてEU委員会から警告を受けており、この2点については来年初めから実施となる予定だ。
ウルトラ・ファストファッション商品への課税を目的に、EU域外からEUに入る小包に3€のEU税(以前の2€の仏税は廃止)が7月1日から課されるようになったが、こうした金銭的ペナルティと並行して、テキスタイルによる環境汚染についての啓蒙や教育、リサイクルや修繕をしやすくするような循環型経済の構築など、政府には国内でもまだまだできることがありそうだ。(し)
