老舗の辞書「ロベール」はこの12月、自社の無料オンライン辞書 Dico 上で2025年1~11月に検索された言葉のうち、その検索数が最も増えた言葉のトップ10を発表した。2025年話題になったニュースや出来事、人々の関心事、世相などを反映しているのがうかがえる。

まずは、第3位から。
3位 wesh
Wesh (ウェシュと発音)は、アラビア語の「元気?」という意味の語が語源とされるが、1980年代頃からアルジェリアのフランス語に入ってきて、2009年には辞書プチ・ロベールにも掲載された、都市郊外の若者言葉。
やあ、おい、といった軽いあいさつの意味から、「何?」、驚きや称賛、悔しさを表す感嘆符と幅広く使われる。多用されたためか、7月にはTikTokで、この語は「フランス語の正当で尊重された使用法ではない」ため、学校で使うと罰金を科す法が成立したという偽ビデオが数百万回も再生されたりもして、今年、再注目された言葉だ。
4位以下は、不治の病の人が自殺を支援される権利を保証する法案が5月に国民議会で可決されたことから検索の多かったeugénisme(優生学)。2025年5月にムスリム同胞団の仏国内への影響に関する報告書で話題になったentrisme(潜入工作)という言葉が5位。そのほかは、バイルー元首相が「移民流入の波にのまれる感覚」と発言し、左派から「極右的表現」と猛反発を受けた、submersion(水没、圧倒)。マクロン大統領が2月に欧州は米国への「幸福な従属化」を拒否すべきと発言した際の vassal(従属者、配下)などが入った。



