川崎遼平さん(30歳)
「パリで店をやるのが、父の夢だったんです」。広島でレストランを営む料理人の父と一緒に、モンマルトルにKEN KAWASAKIを開いたのは4年前。2018年には、ミシュランの1つ星を取得した。
料理人になるきっかけは、高校三年生のときの、父とのフランス食べ歩き旅。将来の進路に迷っていたところ、本場のビストロ料理の味に感動し、フランス料理を志すことに決めた。高校卒業後、東京のレストランやビストロなどで約8年働き、渡仏。アルザス地方を経て、11区のQui plume la luneへ入店。コースで表現するガストロノミーの世界を初めて知った。「(この店の)週3日休みの体制にも驚きました。仕事もプライベートも充実させるスタイルは、いつか見習いたいです。今は、まだ難しいですけど」。
この頃、現在の店の計画が持ち上がった。「父子で料理人ですが、それまで一緒に働く機会がなかった。最後のチャンスかも、と父を手伝おうと決意しました」。開店準備期間には、コペンハーゲンの人気店Relæ(レレ)でスタージュを経験。「デンマークは伝統的な料理のスタイルがない国。だから、みんながルールに縛られず自由な発想で料理をする。フランス料理の世界とは、ずいぶん違いました。レレを経てからは、自分が考えるおいしさを、もっと自由に表現したいと思うようになりました」。
シェフになってから、自分自身の料理を作ることの難しさに直面した。「最初は、他の人がやっていないことや、奇をてらったことをしないと!と焦っていましたが、最近は、自分にできることをじっくりやる方向に進んでいます。料理の味は、自然と優しい味付けになってきたようです」。今後は、さらに食材にこだわり、生産者から直接仕入れるものを増やしていく予定だという。(恵)
KEN KAWASAKI
Adresse : 15 rue Caulaincourt, 75018 ParisTEL : 09.7095.9832
アクセス : M°Lamarck-Caulaincourt
URL : https://www.restaurantkenkawasaki.fr/
水〜日 12h30-13h30 / 19h30-21h 月火休