「いつも庭を散歩しながら、何を作ろうかな、って考えるんです。シャトーの庭にはハーブや花など、デザートに使えるものがたくさん植えてあるので」。シャトー・ド・クルバンのシェフ・パティシエール長谷川佐恵さんは言う。シャトー・ド・クルバンは、ブルゴーニュ地方北部クルバンにある、瀟洒なシャトーホテル。ガストロノミックなレストランとスパを目当てに、国内外から宿泊客が訪れる。
小さな頃から食べ物への好奇心が旺盛だった、という長谷川さん。小学生の時には、父に買ってもらったレシピ本にのっているお菓子を、すべて自力で作り上げた。24歳で渡仏。ディジョンのステファン・デルボーで、初めてレストランの仕事に携わった。「日本では使ったことのなかったスパイスやハーブ、リキュールなど、いろんなものをデザートに使っていて、フランスではこんなに選択の幅が広いのか!と驚きました」。その後、リヨンのオーベルジュ・ド・リル・バルブを経て、9年前に現職についた。
自然に囲まれた今の職場は、街にはない魅力があるという。「まず、街にいるときのストレスがありません。周りにはひまわり畑が広がってたりして、田舎暮らしもいいものですよ」。新しいレシピを、いつも考えている。「毎日少しずつ、レシピの元になる断片を集めています。街のショーウィンドーや美術館、海外で訪れた建築など、見たものを頭の中にストックして、毎月のメニューに反映させています」。季節の素材をふんだんに使い、柔軟にレシピを組み立てる。「今のホテルでは自由に好きなものを作れるし、それで喜んでくれるお客様がいるので、とても満足しています」。将来の夢は、自分のアトリエを構えること。昨年、オリジナルブランドを立ち上げ、ジャムの製造販売を始めた。今後も、少しずつアイテムを増やしていきたいという。(恵)
Château de COURBAN & SPA
国立森林公園そば、クルバンで1998年から続く四つ星シャトーホテル。家族経営ならではのフレンドリーな対応がうれしい。24ある客室は、クラシックからモダンまで部屋によりデザインが異なる。静かで広々とした部屋は、日々の疲れを癒すのにうってつけの空間だ。
ガストロノミック・レストランは、宿泊客でなくても利用が可能。昨年秋より、パリの有名レストランで経験を積んだマキシム・ルソーブル氏がシェフに就任。24年度のゴー&ミヨー誌「将来が期待されるシェフ」に選ばれるなど、今後の活躍が楽しみな存在だ。また、クルバンはブルゴーニュ地方とシャンパーニュ地方の境界に位置するため、両方の産地から揃えたこだわりのワインも、食事とともに楽しむことができる。300平方メートルの広さを誇るスパは、NUXEのライセンスにより運営。フェイシャル、ボディなど、NUXEのプロダクトと技術を使用したラグジュアリーなトリートメントを受けられる。
Château de COURBAN (シャトー・ド・クルバン)
Adresse : 7 rue du Levoir, 21520 Courban , FranceTEL : 03.8093.7869
URL : https://chateaudecourban.com
毎日 19h-21h30 (日曜のみランチも 12h-13h30)、 不定休 (シーズンにより変わるため、直接お問い合わせください)