モンペリエ大学医学部のアンリ・ジョワイユー名誉教授は、がんと消化器外科が専門だ。保健大臣宛てに、アルミニウムを含まないDT(ジフテリア、破傷風)ポリオの3種混合ワクチンの復活を求める署名運動を2015年から展開し、現在までに108万人以上の署名を集めた。ところが、それがもとで、医師会を除名させられそうになった。
フランスではこの3種混合ワクチンを新生児に接種することが義務づけられているが、2008年にメーカーが製造を中止。代わりに、より多くの病気に対応する高価なワクチンを売り出した。しかし2014年からは、DTポリオ+百日咳の4種、またはそれにヒブ(インフルエンザ菌b型)を加えた5種混合ワクチンも不足し、現在はこれらにB型肝炎を加えた6種混合ワクチンしか出回っていない。
ジョワイユー教授は、このワクチンには、アルミニウムとホルムアルデヒドという、人体に有害な物質が含まれていると言い、国に対してアルミニウムが含まれていない、以前のような3種混合ワクチンを増やす政策をとることを要求している。6種も混合したワクチンを新生児に打てば、免疫不全を引き起こすリスクが高い、というのも理由だ。
ジョワイユー教授は、地域圏医師会から除名処分を受けた。上告しなければ12月1日から除名されるが、県医師会がジョワイユー教授を支持し、上告したので、処分は保留になっている。(羽)