食肉生産者の抗議行動がここ数週間続いているが、肉の小売価格は上昇しているのに生産者価格の原価割れが起きる理由を各紙が解説している。たとえば、ここ3年で11.7%上昇している牛肉の小売価格のうち、生産者、と畜・加工業者、小売業者の取り分はそれぞれ2011年の46%、22%、26%から14年は47%、21%、26.6%とほぼ変化なし。豚肉では11年が38%、8%、47%、14年は36%、9%、49%と小売業者の取り分が大きく、かつ上昇している。一方で、飼料や燃料の世界的価格高騰、また国内では環境保護や家畜の生活環境規則が厳しくなり、飼育コストは上昇する一方だ。マージンが大きすぎるとされる小売業者も人件費等のコストのために純マージンはほぼないという。小売価格を上げれば、消費者は輸入肉や買い控えに流れるだろう。まさに八方ふさがりの状況だ。(し)