マクロン経済相は10月15日、経済活動・機会均等化法案の一環として、長距離バス事業の規制緩和策を打ち出した。
法案は12月に閣議に提出され、春前に国会で審議される予定。長距離バスは現在、仏Transdev系のユーロラインズ・フランスと仏国鉄(SNCF)系のiDBUSが国外の目的地を含めフランスで運行しているが、国際路線でない場合は地元地方自治体の認可が必要であるなど、さまざまな規制がある。そのため、フランスで長距離バス利用者は2013年でわずか11万人。昨年自由化したドイツでは年間80万人、80年代から自由化されている英国では3千万人の利用客がいる。
経済相は、200km以上の長距離バス路線の開設を自由化することによって、将来的に年間利用者を500万人に増やし、1万人の雇用を創出したい考えだ。SNCF地方急行列車(TER)を管理している地域圏は長距離バス自由化に反対しているが、長年反対してきたSNCFは2012年に子会社iDBUSを創設してバス事業に参入し、多くの顧客を獲得している。列車より低料金のバスの需要が高いのは確かで、自由化の流れは止められないだろう。(し)