米ウォルト・ディズニー社は10月6日、テーマパーク「ディズニーランド・パリ」と「ウォルト・ディズニー・スタジオ」を運営する仏ユーロディズニー社に増資などのてこ入れを行うと発表した。開業22年のユーロディズニー社はこれまで7期しか黒字を計上しておらず、累積赤字は8億ユーロに上る。また、年間入園者数は2012年の1600万人から13年は1500万人に減少し、今年3月までの半年で1億360万ユーロの純損失を計上。14年は1400万人とさらに落ち込むことが予想され、苦戦を強いられそうだ。
そこで、同社の株式の40%を保有する米本社は4億2000万ユーロを仏社に注入するとともに、自社が仏社に対して持つ債権の一部である6億ユーロ相当を株式公開買付けによって株式に変換する。その価格は市場価格3.46ユーロをはるかに下回る1株1.25ユーロの予定。さらに、残りの債権分の返済を2024年まで延期する。開園時に物議をかもしたユーロディズニーは1994年、2004年、2012年と倒産しかかったが何とか持ちこたえた。今度は欧州の経済危機を乗り切らなければならず、試練はまだ続きそうだ。(し)