国立統計経済研究所(INSEE)は8月14日、今年第2四半期の国内総生産(GDP)をゼロ成長と発表した。企業の投資は第1四半期より0.8%後退し、輸出も落ち込んだ。家計の支出だけはプラス0.5%だが、これは家計のエネルギー支出が増えたためのもので、真の消費回復ではないとINSEEは分析。これにより、2014年全体の経済成長率は、1%という政府の当初予想を下回る0.3%程度になる見込みだ。これを受けて、サパン財務相は今年の経済成長率を0.5%に下方修正。また、21日に発表された中小製造業の8月の活動指数も停滞を示す50未満。中小製造業は1次産品の値上がりなどによって経営が悪化し、この夏に倒産した企業も少なくない。今年後半の見通しも悲観的だ。オランド大統領は欧州全体の景気回復傾向を根拠としてフランスの経済成長を1%と読んだわけだが、期待のドイツすら第2四半期はゼロ成長に落ち込み、欧州の景気回復はここにきて期待薄になった。1%成長を元に財政赤字解消を目指してきた政府は最近、赤字はGDPの4%に達すると見直し。長い停滞のトンネルの出口はまだ見えてこない。(し)