フランス本土とコルス、北アフリカを結ぶ海運業、コルス地中海国営会社(SNCM)は再び6月24日から長期ストに突入した。バカンス期にかかる自暴的とも言えるストだ。7月5日にキュヴィリエ運輸担当相が、SNCMには会社更生手続きを取る以外の道はないと発言したのに対して労組CGTは政府を「嘘つき」呼ばわりし、政府とSNCMの関係は悪化している。
同社は元国営で、業績が悪化し始めた2003年から再三、国は公的資金を投じてきた。06年の民営化でヴェオリアの子会社トランスデヴが66%、国が25%、社員9%という資本構成に。しかし、コルシカ・フェリー社との競合に加え、経営効率も悪く、年1000万~1500万ユーロの赤字を累積。昨年12月には500の雇用カットと新型船4隻の購入によって2年で赤字を解消するという再建案の合意がなったが、トランスデヴも、自由競争原則に違反する支援をしたとして4億4千万ユーロの罰金を欧州委から求められている国も購入費6億ユーロは出せない。結局、何ら問題は解決されずにずるずると今日まできたSNCMに、会社更生以外の選択肢を見つけるのは難しそうだ。(し)