ロワイヤル環境相は6月18日、エネルギー移行法案を閣議に提出した。エネルギー効率向上のための住宅改修の促進策、電気自動車の普及促進、原子力発電から再生可能エネルギーへの移行策など80条項にもわたる野心的なものだ。エネルギー効率のよい住宅改築の促進策としては税制優遇措置のほか、住宅改修費用を無利子で銀行から借りる制度が使いやすくなる。電気自動車の普及については、充電スポットを2030年までに全国で700万カ所にまで増やし、電気自動車への買替え支援金を最高1万ユーロに。総電力生産に占める原発の割合を2025年までに75%から50%に下げ、2030年までに再生可能エネルギーの割合を40%にする。暖房、温水のための木、バイオマス、ごみ焼却などによる熱回収に充てる公的資金が倍増(4億ユーロ)されるほか、メタンなどのバイオガス利用計画も。
フランス電力会社(EDF)の圧力を受けてか、原発の寿命やフッセンアイム原発の閉鎖などには触れておらず、原発、水力、バイオマス、風力などの割合も2015年からの3カ年計画で決定される予定で、まだまだ具体像は見えてこない。(し)