ニュージーランドなどから輸入される冷凍子羊肉を食べている日本では、子牛肉に季節がないけれど、フランスでは子羊肉は6月末までが食べごろとされている。春先には「ageau de lait」と呼ばれる、生後30日くらいの乳飲み子羊の肉が肉屋に並ぶ。その肉はとても柔らかく繊細な風味だが、もの足りないと言う人も多い。今、出回っているのは、生後2カ月から5カ月の、羊乳ベースの飼料を食べて育った「agneau blanc」。その肉は濃いめのバラ色で、表面の脂は白い色をしている。買った時は身が締まっているが、火を通すと柔らかくなる。ローストしたり、新ニンジンや新ジャガと煮込んだり、あるいは切り身をソテーしたりグリルして、子羊ならではのうま味を十分に味わいたい。9月から12月にかけて出回るのは、生後6カ月から9カ月でと殺された「agneau gris」。表面を覆う脂がやや灰色がかっている。もう成羊に近いしっかりとした味わいだが、通はこれが一番おいしいという。(真)