オランド大統領は1月14日の記者会見で、雇用の創出や安定に貢献する企業に家族手当保険料の雇用者負担分を免除する措置を2017年までに実施する方針を打ち出した。雇用を創出したり、不安定雇用を減らしたりする企業を対象とし、年300億ユーロの同保険料を軽減することによって企業の雇用意欲を促進しようというわけだ。
ところが、政府はすでに2013年1月から、人を雇用するあらゆる企業に法人税あるいは所得税を軽減ずる「競争力・雇用のための税減額(CICE)」を導入している。法定最低賃金の2.5倍までの給与に対し、4%(2014年からは6%)というほぼ家族手当保険率に相当する金額を軽減するものだ。したがって、CICEと今回の家族手当雇用者負担免除が二重にならないような方策を今後模索すると大統領は発言しており、実際には300億ユーロ規模にはならないとみられている。また、家族手当保険料免除分の埋め合わせを手当の減額でなく歳出の節約で補うこと、首相の責任で雇用創出・安定化の貢献度を監視する機関を設立するということなど、今後確定すべきあいまいな要素が多いようだ。(し)