フランス本土とコルス、北アフリカなどを結ぶ海運業、コルス地中海国営会社(SNCM)は1月1〜9日の間ストを行った。2001年の民営化以来、ストが頻発するSNCMだが、今度のストは政府の支援を求め、競合コルシカ・フェリー社などにSNCMと同様の規制を適用すべきという要求だ。しかし、競合だけが原因とはいえない経営の悪化は、ヴェオリアと預金供託公庫の共同子会社トランスデヴが66%、国が25%、社員9%という資本構成になった2001年以来で、年1000万〜1500万ユーロの赤字を累積。昨年12月に従業員の3分の2の賛成を得て合意された再建案は、解雇なしで500の雇用をカットすることによって年7千万ユーロの経費節減を実現し、より効率的な新型船を4隻購入して2年で赤字を解消するというものだ。
しかし、トランスデヴは1300万ユーロの救済資金を注入したばかりだし、SNCMに4億4千万ユーロの不当な支援をしたと欧州委員会から非難されている国もこれ以上お金は出せない。結局は預金供託公庫が船の購入費6億ユーロを出すようだが、この八方ふさがりのような厳しい状況に解決策はあるのだろうか。(し)