11月21日に信用保険会社コファスが発表した数字によると、過去12カ月間のフランスの倒産件数は4万3981件と、世界的金融危機により最悪だった2009年の数字を2%上回った。会社更生の手続きを商事裁判所に申請した企業は同時期で6万2431件。2012年の同時期と比べて4%増加した。買収などによって再建されるのが3割、倒産となるのが7割ほどだ。09年の金融危機で弱体化した企業が、2010〜11年のわずかな景気上向きでは十分に立ち直れず、2012年から再び景気が後退したために致命的な打撃を受けたと専門家は分析する。とくに、国内市場をターゲットとする中規模以下の企業にダメージが大きく、国民の購買力低下の影響をもろに受けるアパレルなどの小売業が苦戦を強いられているという。
こうした企業の倒産によって失業者が増えるばかりでなく、雇用も不安定になっている。労働省の発表によると、2013年の第1四半期の従業員10人以上の企業の新規雇用の83%が有期雇用。しかも1カ月未満のものが特に増えている。景気回復が期待通りにいかないなかで2014年を迎えることになりそうだ。(し)