通信機器大手アルカテル・ルーセントは、全世界で大規模な人員削減を行う計画を10月8日に明らかにした。2006年に仏アルカテルと米ルーセントが合併して誕生した同社は、通信インフラ、固定・移動通信向けブロードバンドインターネット接続などの分野で世界2位。しかし、エリクソンや中国のZTEなどとの技術競争に乗り遅れて業績が悪化し、2007年からリストラを開始。
今回は世界で1万5千の雇用を削減する。それと並行して、インターネット・プロトコル(IP)や高速ブロードバンドに注力するために技術者を5千人雇用(フランスでは200人)する計画だ。9400の雇用を抱えるフランスでは900人を解雇し、さらに900人がグループ内での配置転換または下請け企業への出向になるという。国内13拠点のうちトゥールーズとレンヌは閉鎖され、他の2拠点も他社に譲渡されるという厳しい再編だ。2012年度の13億ユーロの純損失を受け、ミシェル・コンブ会長が6月に打ち出した合理化計画「シフト」で2015年までに10億ユーロの経費節減を図る。大鉈(なた)を振るい続ける同社が持ち直すのはいつのことだろうか。(し)