6月17日付パリジャン紙はマルチメディア店フナックが8千万ユーロの経費節減策の一環として600の雇用削減を近く予定していると報じた。それによると、音楽CD店員を中心にしたパリ市内10店舗が対象になっている。フナックはこの報道を否定しているが、数カ月前からCD店員削減に関して労組と交渉していると認めた。
同社の2012年度経常利益は7900万ユーロで前年比23%減。こうした経営悪化のみならず、高級ブランドとスポーツブランド中心にシフトしている親会社ケリング(旧PPRグループ)はフナックの売却を2009年に決定。だが、売却先が見つからず、広く投資家を募るために20日に新規株式を公開した(初日に株価は13.6%低下)。フナックは音響機器・電気製品の大衆化の波に乗って1954年に創立。レコード・書籍など文化財を扱う大型チェーン店として急成長したが、80年代から数社の手を経て94年にPPRに買収された。インターネット普及で売上が減少し、2012年には500人削減。20日に従業員への補償金が決まって26店を閉めることになったヴァージンと同じ運命をたどらなければいいのだが…。(し)