この頃、高3の長男がしきりに口にするのは夏のアルバイト(petit boulotまたはjob)のことだ。その前に大事なバカロレアがあるし、大学進学のこともあるのに、それを跳び越えて今から夏休みのことを考えるってどういうこと?と、思いながら話を聞いてみると、8月に友だちと旅行に行くために7月にバイトをしてお金を貯めたいのだそうだ。
ちゃんとした統計がないのでよくわからないが、フランスの高校生は日本の高校生と比べると、あまりバイトをしていないような気がする。北海道のある高校のアンケート(2011年)によると、バイトを以前していた、現在している、を合わせると62%になるのに比べ、長男に聞いた感じでは、バイトをしている高校生はごく少数派のようだ。友人の子ども(高校生)でバイトをしているという話も聞いたことがない。フランスでは雇用契約などいろいろ規則がうるさいこともあるだろうし、不況のせいもあるかもしれない。あるいは、高校生は勉強に専念すべき、という親の考え方なのか……。
フランスで働いていいのは16歳から(保護者の許可が必要)。ただし、労働監視局に事前に届出をすれば14歳から働けるそうだが、学校のある期間はダメで、2週間以上の学校休暇の間しか働けないし、休暇の半分の期間しか働いてはならない。
長男のクラスメートには、バーテンやベビーシッターのバイトをしている人がいるという。ほかに高校生ができそうなバイトは、パン屋や服のブティック、ファストフードの店員、学童保育やコロニー(子供用バカンス村)の補助員などか…。
ともかく、長男によると、バカロレアの後の夏休みのバイトを探している高3の知り合いはけっこういるそうで、旅行の費用や欲しい物(服、携帯電話、コンピュータなど)を買うのが目的だ。ただし、学生向きの夏のアルバイトに最近は大卒者や失業者が多く応募してくるとラジオで言っていたので、見つけるのはけっこう大変かもしれない。(し)