「ラ・マルセイエーズを歌うことを強いられる理由はない。これまで一度も歌ったことはないし、歌ったからといって、ハットトリック(シュートを3回決める)は達成できない」
と、3月19日ラジオのインタビューで開き直ったのは、サッカーフランス代表のカリム・ベンゼマ選手。それに対し一部のマスコミから批判の声が上がる。2010年、W杯予選で敗退して以来、選手にラ・マルセイエーズを歌わせるべきだ、という声が強くなり、ローラン・ブラン前監督が、選手に試合前に国歌を歌うように強く要請したことは記憶に新しい。今度のベンゼマ選手への個人攻撃も、じつは彼が不調で得点数がごく少ないことが原因と思われる。フランス代表のユーゴ・ヨリス主将は「ラ・マルセイエーズを歌わないこととフランスを大切に思うことは関係ない」とベンゼマ選手を弁護。往年の名選手で現欧州サッカー連盟会長のミシェル・プラチ二も「ラ・マルセイエーズは、歌詞が暴力的な戦争賛歌で、サッカーは戦争ではない」と一度も試合前にラ・マルセイエーズは歌わなかった。(真)