4月22日第1回投票。復活祭休暇中なのに投票率79.47% ! オランド28.63%、サルコジ現大統領27.18%で2位、それに迫るマリーヌ・ルペン国民戦線党候補17.9%( 642万票)! という驚異的結果 ! マリーヌ・ルペン旋風の中、両候補が5月6日に一騎討ち。その前に両候補の私生活を追ってみよう。
5年前の2007年5月サルコジ大統領当選の日、大統領には夫人がそばいないとカッコウがつかない、とセシリア夫人はNYから駆けつけ、シャンゼリゼのカフェ〈フーケッツ〉とコンコルド広場での当選祝いに花をそえたが心ここにあらず。彼女は大統領夫人役を5カ月間果たし、10月に大統領夫妻は離婚。独身に戻ったサルコジ大統領は翌年2月、元トップモデルでミュージシャンでもあるカーラ・ブルーニと電撃結婚。セシリア前夫人はアティアス氏(前大統領選広告担当)と同年3月、NYで再婚。サルコジ候補には最初のコルシカ出身の妻との間に息子2人、セシリア前夫人との間にルイ君がいる。昨年秋、カーラ夫人がジュリアちゃんを出産し、サルコジ大統領は米大統領家族風ハッピーファミリー像を完成。セシリア前夫人には元TV司会者・故ジャック・マルタン(2 人の結婚式を執り行ったのが当時のサルコジ=ヌイイ市長)との間に2女がいるから計3人、サルコジには計4 人、カーラ夫人も2人の子持ちになり(交通整理がたいへん)、相手は違っても欧州一の高出生率(2.01)に貢献。
フランソワ・オランドはというと、公私ともサルコジほど波らん万丈ではないが、 政治学院ENA在学中に親しくなったセゴレーヌ・ロワイヤルと30年間内縁関係を保ち4人の子供を設けた。セゴレーヌは前大統領選社会党候補にまでなり、フランソワは10年間社会党第一書記を務めた。セゴレーヌの大統領選に熱を入れなかったフランソワには数年前から、パリ・マッチ元記者・TV Direct 8の政治記者ヴァレリー・トリエヴェラーがいた。美人で先鋭なヴァレリーにも前夫との間に子供が3人。昨年10月、社会党予備選挙で大統領候補になる夢をもう一度と意気込んでいたセゴレーヌの支持率はたったの7%、泣く泣くヴァレリーの目前で退場していった。
が、セゴレーヌは捨てられた内縁者としてめそめそするタイプではない。「フランソワをいちばん良く理解できるのは私しかいない」と党内でも一目置かれる位置に。4人の子供のうち母親の大統領選運動に奮闘した長男トマは「今度こそパパが勝つように !」と母と共に戸別勧誘運動をつづける。セゴレーヌとヴァレリーは会うと顔をそむけ口もきかない仲だが、4月4日レンヌ大集会ではフランソワがセゴレーヌを舞台に登らせ、ほおずりしたシーンが大きく報道された。元内縁者同士の仲直り? 彼女も元内縁者の勝利のため人肌脱ぐのだから、彼が大統領になったら首相の座はマルチーヌ・オブリに譲ったとしても、せめて国民議会議長の座(ジャック・ラングも狙っているよう)をとフランソワに口約束させたとか。
しかし独身の大統領はあり得るのかな。ヴァレリーはジャーナリストの仕事を一時休職し、大統領内縁夫人になる? ミッテラン大統領は隠し子マザリンをエリゼ宮別翼に住ませていたが、米国の政治家たちは、やっぱりフランス人は…と開いた口がふさがらないよう。(君)
ヴァレリー・トリエヴェラー