仕事ぶり拝見第8弾は、フランスの人間国宝の称号を持つ楽器製造・修理職人、フォリップ・ロウさん。
小さなハンマーで金属をトントントンと叩き、ハンマーと金属の間で鳴る音を聞き分け、または共鳴する瞬間に耳を傾けて楽器の表面を根気よく形作る。また、金属板一枚からフランスの伝統的な楽器ナチュラルホルン、太鼓の制作など、見事な楽器を作り出す。今年、62歳を迎え、現役から引退する彼は、今まで約30人育てた弟子の中から、三宅直也にそのバトンを渡す。シンプルに、手の仕事として約42年間金属と向き合ってきた彼の仕事を追ってみた。
構成・文・写真:仲野麻紀