セーヌ川をはさんでノートルダム大聖堂の斜め向かいにあるルネ・ヴィヴィアニ=モンテベロ広場に、一本の古い木がある。パリ市内で最古の木と認定されている樹齢410年(!)のニセアカシア(robinier)だ。王室庭師ジャン・ロバン(1550〜1629)がアメリカ大陸から持ち帰り、1601年に植樹した高さ15m、幹周3.5mの大樹。ところが、幹が斜めに傾いており、幹の一部がセメントで補強されているという痛々しい姿。おまけに、裏に回るとコンクリートの柱3本が木を支えている上に、ツタが幹の中ほどを覆っているので、一見、何の木かわからなくなっているという有様だ。しかし、パリ市によると、このニセアカシアはきわめて健康だそうで、確かに上のほうに見える葉はみずみずしく、白い花も咲いている。年1回は健康診断を受けているそうだが、まだまだ長生きしてもらいたいと思う。(し)