cinéma
フランソワ・トリュフォー(1932〜84)「大人は判ってくれない」、ジャン=リュック・ゴダール(1930〜)「勝手にしやがれ」の登場で、フランス映画を一変させ、映画史を塗り替えたヌーヴェルヴァーグが誕生した。それ以来、無数の映画や言葉がヌーヴェルヴァーグを取り囲み、その姿を明確に知ることは今もなお難しい。
この映画は2009年カンヌ映画祭でヌーヴェルヴァーグ50周年記念として上演され、さらに編集を加えて2010年10月に完成した。これを作ったのは、ヌーヴェルヴァーグの拠点だったカイエ・デュ・シネマ誌の元編集長アントワーヌ・ド・ベックと、ドキュメンタリー映画作家のエマニェル・ローラン。映画をブルジョワ芸術として根底から否定し、変革を志すゴダールは急進派の反逆的ヒーローとなり、古めかしくとも映画への愛に生きる決意をした保守派のトリュフォーと決定的に対立する。そのはざまに立たされたジャン=ピエール・レオー。1968年5月革命以降、二人のヌーヴェルヴァーグの盟友は歴史的、政治的に引き裂かれていく。
幾多の貴重な映像資料を駆使し、ヌーヴェルヴァーグの傑作からの抜粋の数々から、「ヌーヴェルヴァーグとは一体何だったのか?」という、映画史的に巨大なる疑問に、ひとつの明快な答えがあぶり出される。
「フランス映画史の情熱的な証言」と高く評価されたドキュメンタリー映画である。
7月30日(土)〜9月2日(金)夏休みロードショー www.cetera.co.jp/nv
新宿K’s Cinéma(東京・新宿3丁目)www.ks-cinema.com/
配給:セテラ・インターナショナル