ちょっと前かがみ、日本女性の襟足の美しさ!
日本製アニメの中で、「お帰りなさ~い、だんなさま」と、日本人女性が首を横にかしげて挨拶する姿が登場するせいか、日本製アニメファンのフランス人の友人に、「日本人が首を横にかしげながら話す様子が好き」と言われ、なんだかちょっと複雑な気持ちになった。そういえば、フランスの映画やテレビドラマ、CMで外国人をチラリと登場させる際に、その人がどこの国の人であるかがたちどころにわかるようにする必要があると、日本人なら、必ずといっていいほど、カメラを首からぶら下げて、ニコニコ笑顔でパチパチと写真を撮っている姿を登場させるが、そんな時、首を前後にふり、相手にペコペコする仕草も欠かせないようだ。
日本人は前かがみの姿勢をとることが多いから、首も前かがみ。フランス人は胸を張っていることが多いから、首もすっきり立ってほとんど上向きだ。また、日本人の首は、「首を長くして待つ」という言い回しもあるのに、フランス人の首ほど長くないからますますスラリとした首には見えない。フランスで暮らしていると、こういうコンプレックスを感じることがしばしばあるものだ。
さてこの日本人女性特有の首の仕草だが、日本にはかわいさを良しとする風潮があるためか、首をかしげる仕草は、かわいらしいという意味につながっていくようだ。ところが、男女平等の歴史が日本より長く、成熟した大人を重視するフランス人にとって、この仕草は、人を小ばかにする、もしくは自身がバカに見えると判断されることが多く、大人の仕草の一つとしてはとられにくいようだ。ただ、首をかしげることは、フランス人もよくする。何か真剣に考えごとをしている時、首をかしげ、両手を口元において歩き回りながら考えこむ。ところが、これが映画の中の一シーンのようにカッコよく見えるのは、やはり首の長さのせいか、なんとも不思議だ。 (有)