鳥居に、中国風のお堂に、アフリカの温室…。一瞬、自分がどこの国にいるのか分からなくなる。ヴァンセンヌの森の東端にある「熱帯農業庭園」はそんな公園だ。
この公園(4.5ha)は1899年にコーヒー、バニラやバナナの木など当時の熱帯・亜熱帯のフランス植民地の植物を育てるために造られ、1907年の植民地博覧会の際にはインドシナの村落や各植民地のパビリオンが建設された。現在もパビリオンのいくつかが残っていて、改修されたのもあれば、荒れるがままのもある。2003年にパリ市が購入し、一般に公開されるようになり、建物の一部は開発途上国農業研究施設として利用されている。熱帯性植物はもうないけれど、うっそうと茂った竹や木や植物は非常に多種多様で野性味があるのが魅力。(し)
Jardin d’Agronomie Tropicale : 45 bis av.de la Belle-Gabrielle 12e 9月末までは9h30~20h。