ともに映画配給会社のDVDを担当するアタッシェ・ド・プレス。出会いは11年前、バンジャマンさんが社会人一年生のころ。当時を振り返って語る。「今も昔もDVD専門の同業者は25人くらいで、年に2回、食事会があるんだ。みんな顔見知りで仲間意識があるよ」。同業者として必然の出会いだった。当時は互いに別の恋人がいたが、彼が先にひとりになる。そして2003年の夏。「生まれて初めて女の子を口説いたんだ。まるで映画のワンシーンのようにね!」と目を輝かせるバンジャマンさん。詳しいコトは聞かないことにした。その年の秋、晴れて恋人同士に。プレイステーションで遊ぶ共通の趣味があることも判明。それ以来、片時も離れたことがない。ともに結婚反対派。アパートはきっちり折半して購入した。現在、2歳の娘と三人暮らし。最近、待ち望んでいた託児所に預けられることになり、ほっとしている。
ところでビュット・ショーモンのお宅を訪問して、とても印象に残ったことがある。壁一面に並んだ数千枚のDVD、びっしりと年代順に張られた写真をはじめ、今までの歴史がコレクションしてあること。一つ一つ、丁寧にみせてくれた。二人で行った旅は手作りの写真アルバムではなく、特注の写真集にするほど。プロのカメラマンによる、それぞれのポートレートも飾ってある。訪問客は、必ず記念帳にメッセージを残して帰るのだ。そのオーガニゼーションのよさに舌を巻く。旅行に行く時は、あらゆる情報を集めて緻密なプランをたてるのはソフィーさんの役目。「旅の前は準備でワクワクし、帰ってきたら写真や記念品をどう料理しようか悩むのよ」。バンジャマンさんも満足気な様子だ。互いに「人生の舞台」を心から楽しんでいるようにみえる。ただ彼女には一つだけ心残りがある。2005年に母を、2007年に父を亡くし、孫の顔を見せられなかったことだ。今月、両親を亡くして初めて、故郷のノルマンディー地方グランヴィルを訪れる決心がついた。「やっと準備ができたの。感傷的な旅のね」(咲)
泥棒に一番とられたくないものはDVDのコレクション。
これも宝物だから表は見せられない。
これから相手に期待したいことは?
「先に先に進むこと」(バ)「互いを守り合う。共犯関係でいる。同じ目標を持って生きる」(ソ)
前回のバカンスは?
「復活祭の時、火山灰のせいでカナダ旅行がドタキャンになり、初めて計画性のない旅をしたの。ロカルノからマッジョーレ湖を一周したわ」(ソ)
夢のバカンスは?
「できるだけフランスから離れた、エキゾティックな場所」(バ)「香港。世界で一番美しい町だと思っているの」(ソ)
最近、二人で行ったイベントは?
「娘が生まれて以来、初めて二人だけの外出。『シュレック4』とTVドラマ特攻野郎Aチームのリメイク『L’Agence Tous Risques』を観て、外食したんだ」(バ)
お気に入りのレストランは?
Piccola Sicilia(79 av. Jean Jaurès 20e 01.4238.9990)
「本物のシチリアのおふくろ料理店。ピザと魚介類の炒め物が最高よ」(ソ)
カップルとしての満足度を5つ星でいうと?
★★★★★「ちょっとお喋りだけれど、理想の相手よ」(ソ)
★★★★★「お世辞じゃなく、彼女は満点の女性」(バ)