「恋人になれば一緒に住む という固定観念は大嫌い」

  「役者はイメージが大切だから」と、今回、二人の年齢は未公表です。マリオネット劇や影絵にも出演する女優ポーリーヌさんと、パントマイム役者で、演出家、振付師でもあるバラームさんは、7年来のつき合いで、同居しない関係。シャトレのレストランで出会った。ともに学費稼ぎのバイト仲間。同じ情熱を持つ同志として、次第に惹かれあっていく。「恋人になれば一緒に住むのが当然という固定観念は大嫌い。各自の自由を尊重しなければ」とバラームさん。 
 彼はアルメニア北部、グルジアに近い村の出身。首都エレバンの国立演劇学校を経て、11年前、パリに移住した。マルセル・マルソー主宰の国際無言劇学校では、生前のマルソーから指導を受けた最後の生徒だ。ポーリーヌさんはコルベイユ・エソンヌ市の演劇学校を出て、今もそこに在住。バラームさんは2005年、自身のカンパニーを立ち上げた。「創造する時は一人で集中して取り組まなきゃ。つねに孤独と向き合っているんだ」 
 一緒に過ごす時間が少ないからこそ、二人の時は最大限に楽しむ。ランチや観劇に行ったり、本の感想を言い合う。彼は「芸術的バランスを保つため、お互いを刺激し合うのが大切だ」と力説。彼女がドバイで、彼がロシアやプラハで公演した時は、中間地点のイスタンブールで合流したこともある。
 素敵なエピソードばかり聞かせてくれるが、役者稼業は浮き沈みが激しく、難点はないのだろうか。「パリは女優の数が多いし、簡単ではないけど…何故そんなことを聞くの?」と顔を曇らせる彼女の言葉を遮り、彼は語る。「僕には自分のカンパニーがあり、自分のスタッフがいて、自分のクリエーションがある。だから、彼女にも(既成の劇を演じるだけでなく)自身の創作をしてほしいんだ。そのために僕がいるよ」
 インタビューをはじめて30分も経たないうちにポーリーヌさんは席を立った。「ゴメンナサイ。友だちの芝居があるから」。残ったバラームさんと話したものの、二人の何が分かったのだろうと、もやもや感が取れなかった。 (咲)
これから相手に期待したいことは?
「子供をつくる!」(ポ)「悪くはないね。でも、このまま変わらにいたい。まずはもっと会いたいよ」(バ)
前回のバカンスは?  
「本当のバカンスではないけど、昨年8月、スコットランドの.エディンバラ国際フェスティバルに。彼女が出演したから」(バ)
夢のバカンスは?
「シベリア、サンクトペテルブルク、アルゼンチン、インドネシア、桜の頃の日本にも憧れるわ」(ポ)「どこでもいいから、できるだけ早く旅行したい」(バ)
最近、二人で出かけたイベントは?
「ラ・コリーヌ国立劇場で『Se trouver』を観劇。エマニュエル・ベアールをはじめ、いい役者が揃い、素晴らしかった」(ポ)
お気に入りのレストランは?
L’Ange Gardien(189 rue des Pyrénées 20e  01.4358.5997)
「サービス抜群。天気のいい日はテラスが心地いい」(バ)
カップルとしての満足度を5つ星でいうと? 
★★★★「一つ星をつけたら別れられちゃうもの」(ポ)
★★★★「全ての星をあげたいけれど、誰にでも欠点があるから四つ星に」(バ)
ミハイル・ ブルガーコフ作 『巨匠とマルガリータ』。 二人ともロシア文学ファン。

ミハイル・ ブルガーコフ作 『巨匠とマルガリータ』。 二人ともロシア文学ファン。


Pauline/Vahram